マムシの焼酎漬け登場!「食と命の教室」

先月は猛暑で死ぬほど暑かった「食と命の教室」ですが、今月はすっかり涼しくなりました

 

参加者からも「1ヶ月経つとこんなに違うんですね~」と、この時期の1ヶ月の季節の流れの速さに驚いていました。

 

さて、この時期は稲刈りもほぼ終わり、冬野菜の種まきも終わるので、ほっと一息つける時期です。

また、いつもは栗拾いをするのですが、昨年、高柳さんの栗の木の主幹が台風15号でぽっきり折れてしまったので、収量がほとんど無く、残念ながらみなさんで食べられませんでした

天災ですから仕方ないですよね。

 

昨年の振替えの方も久々に参加して、大人数での教室。

朝のお話もそこそこに、「玉ねぎの種を蒔こう」との事になりました。

玉ねぎはもう1週間ぐらい早い時期、高柳さんの話でいうと「彼岸前まで」に蒔くと適期だそうです。

直播きの方法もありますが、苗を作れば今の時期ですね。

ただ、植える時期は路地とハウスでは違っています。

路地だと植えるのが早いと大きくなりすぎてとう立ちが進んでしまいますし、植えるのが遅いと冬の霜でやられてしまうので、なかなか難しいのです。

一方、出荷作物としてやっている農家さんはビニールトンネルをかけて保温をするので、その辺りのコントロールはしやすいです。

この辺りでは11月末ぐらいまで苗を植えています。

 

まあ、そんな玉ねぎの種を蒔くということですが、ハウスに向かう途中、高柳さんがゴマを見せてくれました

通常、路地で蒔いているのですが、ここ2~3年、雨が多く湿害でやられて上手く育ちませんでした。

ゴマは雨が降らないパサパサの畑でむしろ育つものですからね。

今年もみんなで蒔いたのがやられてしまったので、「むかついて、ハウスに蒔き直したんだよ」とのこと

ハウスでゴマをやっている人なんて初めて見ましたが、高柳さんも「ハウスでやる人なんかいないよ。とにかくむかついたから」と言っていました

しかしゴマというのは、外見で明らかに外国人ですよね~。

日本にはいない姿形をしていますね。

これがまだ未成熟ですがゴマの実です。

パカリンと割った中の白いのがゴマで、これが完熟して乾燥すると色がついて普通のゴマになります。

 

さて、ハウスに行って玉ねぎの種まき。

2月にやったミニトマトの種まきと同様、鹿沼土とピートモスを混ぜて苗床にし、そこに1粒ずつ蒔いていきます。

うんこ座り、、、失礼、ヤンキー座りの格好で種まきを30分もしていると、みなさん、なかなか大変で、特に若い子にむしろ耐えられない子がいます。

「昔はトイレは和式だったからな~」「若い子はテーブルとイスだから、正座もなかなかしないからね」なんて事を話しながら、私からは「外国人は足膝が硬いので、ヤンキー座りは出来ないんですよ。草取りとかもはいつくばってやる子が多いです」と話たり。

ヤンキー座りの格好で作業をし続けられるのは、昔の足膝が柔らかかった世代で、今の子はなかなか出来なくなってしまいましたね~。

という感じで、玉ねぎの種まきという一見すると楽な作業も、30分以上やるとみなさんにはきついようで、切りの良いところで終了し、お昼へ

 

今月は高柳さんが「餅を食おう」とのことで、あんこ餅、きなこ餅、雑煮が出ました。

そこで「餅は甘いものから食うんだよ」というのが高柳さんの主張。

一方、私を含めた参加者は「甘いのは最後じゃないですか?」と。

つまり、高柳さんの主張では、「昔の日本人は、まずは甘いものを食べて、その口直しでしょっぱいのを後で食べていた」と言うのです。

我々は「甘いのはデザートのような感覚だから、最初に食べるとその後に普通の味のものは食べにくい」という主張。

なかなか折り合わないところに、ある参加者が「本で読んだのですが、江戸時代ぐらいは日本人はみりん、砂糖といったものは料理に使う物で、デザートという概念は明治以降に入ってきたものだったらしいですよ」と。

議論をしていて、結局、昔の人は甘い物はごちそうで、甘い餅も主食として食べていたんだろう、と。

一方、近代人は、デザートという感覚があるので「甘い物は別腹」という感覚になっているんだろ、ということになりました。

なかなかどうして、こんなジェネレーションギャップもあるんですね~。

 

さてさて、お昼後、みんながのんびり過ごしている時に、私はふと、朝、高柳さんの母屋にお邪魔した時、マムシがいたのを思い出しました。

親戚が昨日捕まえてきたのをくれたそうです。

「これは面白いな~」と思っていたので、みなさんに「マムシみたいですか?」と聞くと「何、何」とみんな興味津々

高柳さんに「マムシ見学させて下さい」と言うと、なんと、朝は生きているマムシだけだったのが、昔漬けたものも一緒に出てきました

こちらが小さいまだ生きているマムシ。1週間ほど糞尿を出させた後に焼酎を入れます。

こちらが平成18年産、14年前に漬けたものです。

一気に焼酎を入れるとびっくりして棒のように立ったまま死んで、見た目が悪いそうで、少しずつ焼酎を入れるそうです。

そうすると、とぐろを巻いて酔っ払ってしまうので、その後、焼酎を沢山入れるそうです。

こちらはひっくり返って腹が上になっているので、いわゆる「銭形模様」というマムシの特徴は見えないですね。

「マムシの焼酎漬けは、ブロックとか足に落としたり、手を戸に挟んだりして青く打ち身になるでしょ?ああいったところに塗っては乾き塗っては乾きをやると、ぶわーと青いのが散っていくのが1時間毎にわかるんだよ。1日やっていればほと治るぞ。市販の薬よりよっぽど効くぞ」とのこと。

すごいですね~。

さて、途中、早退する方がいたので、私はその方を駅まで送って、その間は、みなさんはおかげさま農場の人参と私が買ってきた北海道人参のジュース飲み比べをしていました。

どちらも美味しかったようですが、おかげさまの方が美味しい、という方が多かったようです

その後、午後の活動で、油採り用のヒマワリの種の選別です。

種が入って収穫したヒマワリを乾燥させ、ぱりぱりになったものから種をそぎ落とします。

それをまずは篩いにかけて大きなゴミと選別します。

その後は唐箕で風選。

初めての人は楽しんでやっていますが、風車の原理で、ぐるぐる羽を回して風で軽いものは吹き飛ばし、風に負けない重さがある、つまり実が入っているのは下に落ちる、という原理で選別します。

唐の箕ですから、唐の時代に中国地域から入ってきたのかもしれませんね。

今は電動のものもありますが、何百年経っても原理は同じですから、発明した人はすごいですよね~。

ちなみに、私のヒマワリの種は、収穫前にハトに半分近く食べられ、収穫後、乾燥させていたのですが、なんとネズミか何かに全部食べられてしまっていました

とほほ

やっぱりヒマワリ、上手く出来ないな~

まあ、そんなこんなで、選別を終え、あとはゴーヤを収穫したり、虫食いナスやお煎餅を頂いた後、みんなで楽しく語り合い、ふと気づけばもう真っ暗。

「ちょっと前までは7時近くまで明るかったのに、もう6時過ぎで暗いんですね~」と、季節の進む早さにみなさん驚いていました。

2月から始まり、猛暑を乗り越えて秋を迎えたこの教室も、今年もあと数回。

楽しくまじめにみなさんと学びを深めていきたいと思います