小さい内に原体験を♪

9月は収穫の秋

そして、ついに「田んぼと畑の耕育教室」の稲刈りがやって参りました

 

今年はコロナで5月が外出が厳しかったので、教室の田植えは6月中旬にしました。

 

そのため、稲刈り時期も例年に比べて1週間遅く開催。

ただ、長梅雨のせいかこの時期で稲は立った状態で実が入らず、収量は1割あるかないか

昔の手植えの時代は6月中旬でもぎりぎり間に合っていたのですが、今年は天候不順もあり、遅植えのところは駄目だったようです。

それでもやはり稲刈りはやっぱり楽しいもので、赤ちゃん連れのお母さん、来月出産予定の身重のお母さんなども含め、日曜日は特に23家族も集まって、わいわいがやがや、楽しく稲刈りが出来ました

以前は、きちんと天日干しをするためにオダを作っていたのです。こんなやつですね。

ところが、一昨年ぐらいから、この竹を1本刺したところに交互に挟み込んでいくパターンも導入したら、自分が刈った量が把握出来る、ということで、こちらの方が俄然人気になったので、今年はこちらを完全に主流にしました

また、土曜日は人数が少なく、日曜日が混むのも特に今年になった拍車がかかりました。

もともと東京は土曜日に学校があるのですが、今年はコロナのせいもあり、土曜日学校があるのが増えたようで、日曜日は大量のお申込みがあって、でも天気予報が雨だったので「どうなることやら。。。」と心配していました。

しかし、良い方向に天気予報は外れ、ほぼ雨なしで、みんなで楽しく稲刈りが出来ました

特にもう3~5年、通ってくれているベテラン勢は何も言わずにさくさくと家族で力を合わせて稲刈りをしていました

私自身は毎回イベントの準備が仕事なので、稲刈り中は、みなさんのケアをしたり、結ぶ紐の準備をしたりと、いう感じで稲刈り自体をやる余裕はありません。

また、稲刈り自体は10年前からやっているので、もはや普通の仕事と同じで喜びは無いのですが、みんなが本当に楽しそうに稲刈りをしたりバッタをとっているのを見ていると「やっぱり自然はいいな~、収穫はいいな~」と初心に帰らせてもらえるのが楽しいのです

そして、小さいお子さんが思った以上に鎌が上手に使えて、それにびっくりしながら喜んでいるお母さん、お父さんの姿もほほえましい

そんな中、私に「最近、お子さん来ないですね?」と聞かれるので「いや~、もう来ないですよ」と大きくなったら子供がついてくるのは当たり前じゃなくなることを伝えると「中学生ぐらいになったら、何を教えたら良いのでしょうかね~?」なんて質問をされました。

私が答えたのは「大きくなったら、もはや親が教える、というのは無理ですよ。だから、今のうちに沢山、原体験をさせて上げてくださいね」と。

当たり前の事なのですが、子育ても体験してみないとわからないことだらけです。

我が家は、幼稚園の頃から子供が田んぼに通っていたので、小学校高学年ぐらいになるともうついてきません。

それは当たり前といえば当たり前なのです。

この教室に来ているご家族は、「小さい内に自然体験、農的体験をさせたい」という親御さんがいるご家族なのですが、それはとても素晴らしい事だと思っています。

だって、思春期に入ったら、もう部活やゲームですよ

逆に言えば、親の言うことを良く聞いて、親が行きたいところに連れ回せる思春期の子がいたら、むしろ自我が発達していない、ということになってしまいます。

まだ、親と自分の境界線が明確になっていない、自分の行動をある程度、親に依存している小さい内こそ、自然体験、芸術体験、集団遊び体験などなど、いろいろな体験をさせて上げて欲しいな~、と、我が子の発達を振り返っても、そう思います

別に農家になるならない、という話では無いのですが、例えば、私の知り合いの若手農家のほとんどが、なんで就農したかというと、社会人になっていろいろ先を考えた時に、「ふと小さい頃の農にまつわる原体験を思い出した」、というのが多いのです。

つまり、大人になって何か道に悩んだとき、小さい頃の原体験が、次の道を選ぶきっかけにもなる、という事です。

思春期になると、もはや親の意見はなかなか通りません。

100の言葉より1つの体いっぱいを使った原体験こそが、子供が成長する元肥ですよ

 

※補足※

元肥とは、野菜などを育てる際に、最初に畑に染み渡らせておく、生育の元となる肥料のことです。

植物が種から芽を出し、最初は双葉(種に元々入っている葉っぱ)を開きますが、これは親からもらった生命力です。

その双葉でちょびっと光合成をした後、本葉、つまり自分で根っこを出しそこから吸った栄養で出すのが本葉です。

そして本葉で光合成をしながら根っこから肥料分をすって次々と本葉を出して生育していくのが植物。

その独り立ちをしていく時に、根の周りにある肥料分が元肥ですね。