ついにやってきました8年目を迎える「食と命の教室」のスタートです
2020年度の1回目の教室でもあり、私も準備とちょっとした緊張感をもっての運営です。
また、今年の1月で70歳になった高柳さんは、最近、「遺言」という言葉をやたら使うようになりました。
長寿の家系とはいえ、やはり、残りの人生を考えての思いが強いのだと思います。
ただ、一方で、参加者は初めての方ばかり。
そのバランスを考えて、今、求められている事と高柳さんの思いや経験を繋げる場をコーディネートするのが私の役目と、気持ちを新たにしての8年目です。
さて、今回は定員に近い14名と大所帯でのスタート
最初に高柳さんからお話があり、自己紹介をして頂くだけで1時間。やはり人数がいると違いますね~。
昨年からの継続参加者はもちろん、寺田本家で働いている方の奥様、コンビニ弁当ばかりを食べるも自分で食べ物を作る事に興味をもち始めた男性、子育てが一段落して自分で自給できるようにしたいという方、ゆくゆくは田舎に引っ越したいと考えている都会の方など、沢山の方がお越しになりました。
特に、最近の天災もあってか今年は「自給が出来るようになりたい」といった思いがある人が多い気がします。
それだけ、昨年は環境変化が第一次産業に携わっていない街の人にも体感できる年だったのでしょうね。
さて、お話や自己紹介の後は、1000年続く田んぼへの散策です。
途中、おかげさま農場の出荷場によって「ここで出荷されているんだよ」と、おかげさま農場の方針なども説明。
「無農薬が目的ではなく、健全な野菜作りをしよう、という所から始まっているんだよ」
そして、ブラブラ歩きながら、いつもの田んぼで「水が出るという事は山があるから。山があるこういったすそ野に人間は住み着いてきたんだよ」というお話。
「日本全国歩いたけど、昔から人が住んでいた古村のようなところは一目見ればわかる。逆に台の上のようなところは、せいぜいここ100年の新しいところなんだよ」
また、土が30㎝出来るのに1000年かかる話から、土の大切さ、地球の命を育む大地の大切さなどもお話してくれました。
そして、恒例の三浦大根抜きです
だれもが収穫は楽しいもの
特に、巨大な三浦大根をみて「三浦大根ってこんなに大きくなるんですね」とみなさんびっくり
「こんなに大きな大根を抜いたのは初めてです」とみんなキャッキャと喜んでいました
また、その辺に生えている菜花も「食べれますよ~」と紹介して私が食べて見せると、みなさん、真似していて「楽しい~」と摘んだそばからパクパク食べていました
さて、大根を収穫した後は、お昼ご飯です
お母さんが作るご飯は、田舎料理としてとっても美味しく「これが目当てで来ています」という人もいるぐらいなんです
「おかずには1品はお肉を入れなくちゃ、と思ってきましたが、野菜だけでこんなにたくさん、そして美味しなんてびっくりです」という人もいました。
高柳さんは「俺は男子厨房に入らずなんだけど、たまにウサギじゃ無いんだから鮭の切り身とかたまには入れてよ、と言っているんだよ(笑)」とのこと
さて、美味しいお昼ご飯をたらふく食べた後、午後は今日のメインの夏野菜の種まきです。
まずは、ピートモスと鹿沼土を混ぜ合わせて、苗床用の土を作ります。
保水性が高いピートモスと透水性がある鹿沼土を混ぜるわけですが、普通の人は種まき培養土を使えばぴったりです。
この土をセルトレイに入れていきます。
そして、水を十分に蒔いて、種が吸水して発芽出来るように土を湿らせます。
種を蒔いた後に水を蒔くと、種が流れちゃうから、という意味でも先に水を蒔くのがポイントです。
そしてミニトマトやナスの種を蒔くのですが、1粒1粒はゴマ粒の大きさ
吹けば飛ぶような、というのはまさにこういったもので、1粒を1セルに入れるのも最初は一苦労
みなさん、真剣に蒔いていましたよ~。
そして全部で1000粒ずつ蒔いて、トンネルをしてできあがり
来月に鉢替えといって、ポットに移し、再来月に定植、6月から収獲となります
最後にサニーレタスの収獲&お土産を頂いて活動は終了。
今年は20歳の女子大生から73歳の男性まで、老若男女が揃い、多彩なメンバーが参加してくれています。
そして、高柳さんもお話をたっぷりし、プログラムも盛沢山
何より、「気を使うところは使って、適当なところは適当、という農作業のやり方がなるほどな~と思いました」という人がいたのですが、そういったところも学んで頂きつつ、油作りや納豆作りなど、生活の知恵や食べ物のことも学んでもらいたいと思います。
いずれにしろ、高柳さんとのご縁をつないで、また農村体験をコーディネートして、みなさんの生き方、考え方、そして暮らしが少しでも良くなるきっかけになればと思います。
今年も「場」を最適化できるよう、頑張って運営して参ります