ついにやって参りました、今年1回目の「食と命の教室」です今年で4年目となる教室ですが、今回も様々な年齢、ご関心をお持ちの方が集まりましたよ~
以前、私が主催している「寺田本家酒蔵見学会」に参加されて、仕事を辞めて畑をやり始めた方
成田の古民家レストランで働いている方
畑を持っていても会社勤めで畑作業をしたことが無い方
去年から連続して参加されている方
みなさん、誰もが経済最優先の世の中について、あるいは体や命を作る食べ物がおかしいと思っていても、そういったことを語るとおかしな人と思われて、自分の方が普通じゃないのかもしれない、と思ってきた方々です。
そんな方々が自分の思っていることを話したり聞けたりする場がこの「食と命の教室」なんですね
ということで、自己紹介をした後、高柳さんから、海外と比較すると日本がいかに食べものや命のことを教えない国なのか、塩田法の事例や海外での経験をもとにお話を頂きました。
そして「話ばかりでなく、体験が大事だから」ということで、まずは里山の散策です。
最初は山すその田園地帯。
「昔は人が生きていくために必要なのは水だった。水が無いと食べ物が出来ない。だから、山に蓄えられた水が湧き出てくる山すそに人は住み着いたんです。このあたりの村は1,100年前からあったというのが、神社やお寺の資料からわかっているんです。私も日本全国歩きましたが、大体、古村(こそん)というのは、こういったところにあるね。逆に、小山の上などに切り開かれたところは、この100年ぐらいで出来た新しい町なんですね」
高柳さんの「日本人はどのように住んできたのか」というお話をみなさん興味津々で聞いています。
そもそも「古村」なんていう言葉は、普通の人は知らないですからね
遠い昔、どのように人はどのようなところに生きていたのか、その原風景の1つがこういったところなんですね。
続いて、今度は山の上の方の畑へ。
山の上の開けた畑というのは、明治から昭和初期までに開墾されて出来た、ここ100年の畑だそうです。
幕末は日本人は3000万人ぐらいの人口だったそうですが、これから国を富ませなければいけない、また人口もどんどん増えていく。
そうなると食べものが足りない。
ということで、昔、誰の土地でもなかったところ、あるいは幕府や政府の土地であったところを「開墾したらやるぞ」ということで開墾させて移住させていったそうです。
このあたりは「十余三(とよみ)」というのですが、大栄町、多古町に連なってあるんです。
それは、行政区として町が出来る以前に、何千町歩もの土地を「十余三」と呼んでいたからなんだそうです。
ちなみに、「十余三」というのは、千葉県で十三番目に開墾された土地という意味。
千葉県で開墾された1番目が「初富」というところで、8番目が「八街」といった感じなわけです。
具体的には、こんなのがネットに載っていました。おもろいですね~
・鎌ケ谷市 初 富(はつとみ)
・船橋市 二 和(ふたわ)
・船橋市 三 咲(みさき)
・柏市 豊四 季(とよしき)
・松戸市 五 香(ごこう)
・松戸市 六 実(むつみ)
・富里市 七 栄(ななえ)
・八街市 八 街(やちまた)
・香取市 九 美上(くみあげ)
・富里市 十 倉(とくら)
・白井市 十 余一 (とよいち)
・柏市 十 余二 (とよふた)
・成田市&多古町 十 余三 (とよみ)
さて、こんな話も含めながら、高柳さんが聖護院大根をみんなで収穫
これ、好きなだけお土産に、ということで、みなさん喜んでボンボン抜いていきました
そして生かじり
今の季節の大根は「あまい~」とみんな、大喜び
ということで、トラック山盛りです
途中、雨が降ってきたので急いで帰ってから、待望のお昼ご飯
去年から参加している人はみんな知っていますが、お母さんの作るご飯は本当に美味しいんです
初めて食べた人も「美味しいですね~」とびっくり
素材が美味しいのと、お母さんの味付けが万人に受けるんでしょうね~
ちなみに、これは高柳家の小麦粉で作ったレーズン入りのパンケーキのようなもの
高柳さんは野菜やお米はもちろん、小麦粉や油も自給しているんですよ~
食後は、新規就農者とギターセッション
高柳さんの時代はフォークソングが流行っていたので、ギター暦は50年だそうです。
さて、午後はミニトマトとなすの種播きです。
夏の野菜ですが、種はもうこの時期に播いてしまうんですね~。
まずは苗床作りです。
高柳さんは、鹿沼土とピートモスを混ぜて苗床を作ります。
ピートモスはコケ類などが堆積して長い年月をかけて腐食化したもので、保水性が抜群ですが、乾燥するとカピカピになってしまうので、保水性がよく排水性も良い鹿沼土と混ぜ合わせるんですね。
茶色がピートモス、砂っぽい色が鹿沼土です。
みんなで混ぜ混ぜ。するとよく混ざって丁度良い状態になります。
これを育苗ポットに入れていきます。
その後、育苗ポットを並べて水をたっぷりかけます。
種を播く前にかけるのがコツです。
種を播いた後だと、種が水で流れちゃうからですね。
さて、種まきです。
日本で一番メジャーな千両2号というなすと、千果というミニトマトの種を播きます。
まず、指でちょこんと、5ミリぐらいの凹みをつくります。
ここに種を播いていきます。
まずはなすの種。こんなに小さいんですよ
参加者のみなさんも慎重に1粒1粒播いていきます。
播き終わったら、先ほどの苗床に使った土を軽くかぶせます。
盛り上がったものは軽くはらいます。種が小さいのであまり山盛りにすると、芽が出てくる前に力尽きてしまうんですね。
こんな感じになればOK
次はミニトマト。これまたみんなで播きます。
でも、なすより小さいので大変なんです
ゴマより小さい、だから落としたらもう大変
しかも1粒十円以上するんですよ~
先ほどと同じように土をかければ完成です。
高柳さんはいつもは冷床といって、そのままハウスの中に育苗箱を置くのですが、今年は電気で温かくなっている温床を用意したそうで、その上に並べていきます。
そして、ひごをアーチ状に刺していき、トンネルの骨組みの用意。
それぞれの高さが同じかレベル合わせをします。
最後にトンネルをかけて終了です
1週間ぐらいで発芽し、来月、ポットへ鉢上げ。苗の植え付けは5月になるので、育苗期間がとても長いんですね。
畑作業が終了後、この1年間のプログラムや開催日についてみんなですり合わせ。
「落花生のワラぼっちを作りたい」という人もいれば「どれも楽しそうなので、お任せします」という人もいて、みんなワクワクしてくださっている様子。
また、最後に1人1人に初めて参加しての感想を聞くと
「小さい頃から環境問題に関心を持っていたのですが、中高生ぐらいになると、周りに聞いてみても変な顔をされるので自分の中に閉じこめてきました。でも、今日、高柳さんが「日本はそういったことを教えないと決めたんですよ」と言われて、初めて『そうだったのか!』と今までのもやもやした疑問がすっきりしました」
と言う方や
「私は、お金の鱗をつけて生きてきたんです。1人で生きていく、それにはお金が必要だ、と思って生きてきました。でも、職場でお金ばかりで人の命を優先しない現場があって、自分もおかしいと思ってやってきて。それで寺田本家の本を読んで人生を変えたのですが、今日、また新たな出会いを頂けて、本当に感謝です。こういったことを語れる場は本当に有り難いです」
と言うコメントなど、様々な熱いお話を頂きました。
そして、帰りに聖護院大根、ニンジンなどをたっぷりとお土産でお持ち帰り頂きました。
そしてそして、私が駅から送迎している2人は車を運転しなくていいということで、高柳さんが寺田本家さんに作ってもらっているお酒をグビグビ飲みながら、夜の部へ
お酒も入って、お二人とも、心の声を吐露するように高柳さんに話していました。
毎回思いますが、本当に高柳さんと言う人がいること、そして出会うことで何かしら人生に大きな影響を受ける人が、今の時代はたっくさんいるんだな~
そして、そういったご縁を繋いだ私へも感謝の言葉を頂き、何だかこっ恥ずかしい感じでしたが、喜んで頂けて私も嬉しかったです
これから毎月みなさんと真面目に楽しく学んでいきます。
次回は3月19日(土)です。
ご関心がある方は、是非、一度お越し下さいね
「食と命の教室」については→ホームページから。
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