食と命の教室 最終回「稲ワラ納豆作り」

2月から始まった「食と命の教室」。今月で最終回です

今年で2年目となりますが、1年目とは違い、本当に数多くの方にご参加頂きました。

今回も満員御礼で、みんなで楽しく過ごすことができました。



さて、今回は「稲ワラ納豆作り」です。

今まで天候には恵まれていたのですが、最終回にて小雨。
ということで、今回は物置、といっても農家さんの物置なので作業小屋といった方が正しいでしょうか、そこで稲ワラ納豆を作りました。

今回は最終回なのですが、日本に10年以上住まれていて納豆にとても関心がある中国人、子供が成人して田舎暮らしを検討し始めて始めてこういったイベントに参加したご夫婦、会社を辞め今は自然食品店でアルバイトをしながらゆくゆくは地元に帰って自然食品やレストランなどをやりたいと考えている方など、たくさんの新しい方も参加しました。

時勢というか、そういった流れは未だに大きくなってきているのですね。

さて、納豆作りですが、まず、大豆をコトコト柔らかくなるまで煮ます。
高柳さんのお母さんが昨晩から水に漬けて、大豆を飽水状態にしていてくれて、朝7時からコトコト煮ていてくれました。


3時間ちょっとで結構柔らかくなっていたので火を止め、この煮大豆を入れる「ワラつと」と作ります。
「ワラつと」とは、納豆を入れる容器のことですね。

まず、稲ワラをすきます。
ワラは枯れた葉っぱなどがついているわけですが、ワラつとを作る際には、余計な枯れ葉などは取り除いてなるべく茎の部分だけにする方が、きれいに出来るためです。

左がすいたワラ、右がそれを使って完成したワラつとです。


さて、すいたワラの一部は水に漬けて柔らかくします。
ワラを編んでいくためには、乾燥している状態だとちょっと硬くて編みにくいのです。
よく、しめ縄を作る時、ワラを木の塊みたいなのでトントン叩いて柔らかくするのも同じ理由です。

その水で柔らかくした稲ワラを2本取り出し、向きを交互にしてあわせて、編む紐を作ります。
交互にするのは、ワラは根本が太く先っちょが細くなっているので、2本あわせると、より根元の方が太く先っちょが細くなりアンバランスになってしまうので、向きを逆にして2本をあわせることで、太さのバランスをとるためです。

それを半分に折り、その折り目に乾いたワラを2~3本ずつ挟みながら、よっていきます。
こんな感じですね。


みな、ワラつと作りの技を習得中。


出来栄えは手の器用さだけでなく性格が出るもので、こんなにきれいに編む人もいます


さて、編み終わったワラつとは、網目を真ん中にし、海苔巻きを作る時の巻きすのように巻いて、左右、つまり両端を縛ります。

そこに先ほど煮た大豆を入れていきます。
小糸在来なので、このまま食べてもとっても美味しい煮大豆です


こんな感じで入れていきます。5歳の子も納豆作り、楽しんでいますよ


こんな感じになります。


これをきちんと閉じて、真ん中もワラか紐で結んで完成です。
必要に応じて飛び出たワラの端っこなどはハサミでチョキチョキ切ると、見た目も美しくなりますよ


稲ワラ納豆を作り終えた後、みんなでいつもの通り、美味しい昼食

そして雨も上がり、1年間の振り返りや感想をみなさんから聞きました。


雑誌のクロワッサンを見てすぐに申込み、高柳さんやみなさんの話を聞いて、人は体と食おバランス全てで成り立っているんだな~、ということが学べたという人。

同じ千葉県に高柳さんのような人、そしてこんな教室があってよかった、という人。

何でもボタン1つで出来ていしまう便利な世の中で、便利さが人のつながりなどみんな見えなくしてしまっている、生活するということは本当に大切で、そういったことを子供達にも伝えていきたい、という人。

自分が不安を抱えて生きているということが分かった、そして自分の子供達がこれから食べ物も仕事も収入も本当に大変になるであろうこと、それを不安に思っていたが、高柳さんの生活を見て、生活をお金に換算すればキリがないこと、しかし本当は生きていくことにはお金はあまりかからないということがわかった、という人。

自給的生活にあこがれているが、自分で野菜を作ることなどを来年からは始めようと思う。また、昼食が美味しかった味噌作りや納豆作りなど田舎の技・知識もためになった、という人。

土着の文化を体験できたことが一番よかった、という人。

両親の実家が実は農家で、それを自分でも出来たらいいなと思うようになった、という人。


などなど、色々な感想を頂きました。


そして、多くの人が「来年も参加したい」という言葉を頂きました。

それだけ高柳さんとの出会い、そしてこの教室が人生にとって大きな刺激となったのでしょうね

確かに、最初は笑顔が少なかった方が、この教室以外に色々な体験をご自身でも積んだ結果、今はナチュラルに笑顔が出るようになった方もいます。

思えば、この教室を始める前に、高柳さんと色々話していて「寺子屋みたいに、色々な話を出来る場が大人にも絶対合った方がいい」と思っていました。昔は、地域に長老がいたり、お寺の住職さんなどが、そういった相談相手だったのでしょうが、今はそういった場所はあまりありません。

だから、1年間参加したみなさんにとっても、高柳家は「寺子屋」のように、色々なことを学ぶ場になったのでしょうね。


高柳さんとご縁が出来て4年以上が経つのでしょうか。今でも新しい学びがたくさんあります。

今の現代の生活に疑問を持っている人、お金や仕事の意味を考えている人、食べ物に関心がある人、実際に大病を患った人、農村に関心がある人、多くの人が未だに増え続けています。

そんな中で、未だに昭和40年頃の生活をほぼ続けている高柳家と触れあい、時間を共にすると、頭でっかちな「自然は大事」とか「生き物が大切」とかいった言葉ではなく、「あ~、人は自然に生かされているよな」「先祖から代々継いできたものを次世代につなげていく、その通過点に自分がいる」ということが腑に落ちます。

ますます、高柳さんの存在が、多くの人に必要になってくるでしょう。


2年目を無事に終え、多くの方々に参加して頂き、「食と命の教室」をやって良かったな~と思います。
そして、来年もこれから出会う方々のために、3年目も開催していきます。

基本方針は変わりませんし、高柳さんのペースにあわせ、みんなで楽しく体験を通じた学びを深めていきたいと思います。


今年の反響を見ると、来年は多分、満員になると思いますが、ご縁を求めてきた方に出来うる限り、高柳さんとのご縁を結びつけていきたいと思います。


ご関心がある方は、是非、一度お越し下さい。

「食と命の教室」については→こちらから


高柳さんとご縁を頂けて本当に有り難いな、と思います。

そして、ライフワークとして、「食と命の教室」、今後も一緒に続けていければと思います。


来年も良き出会いに恵まれますように。